アーティスト・コラム20選

アレサ・フランクリン

アレサ・フランクリン

父親はアメリカのゴスペル史上最も人高名なゴスペル歌手。彼女もまたゴスペル・シンガー的な資質を多分に持ちながらも偉大なる先輩シンガー、サム・クック同様にポピュラー音楽の世界で活躍。そのキャリアの中で素晴らしい作品を多数残して来たけれど、やはりフェイムで録音した最初のレコーディング『貴方だけを愛して』は彼女に大きな転機と“クイーン・オブ・ソウル”の称号をもたらしたものとして別格の作品集だ。

ウイルソン・ピケット

ウイルソン・ピケット

ゴスペル・スタイルの激情シャウトと深い情感表現。アレサ同様フェイム録音によりリその真の実力と魅力が100%開花したシンガーのひとりがこのウイルソンだろう。フェイム録音以前のスタックス録音”イン・ザ・ミッドナイト・アワー“(全米1位)も悪くないが、ファンキーさではそれを遥かに凌駕する “ダンス天国”や、デュアン・オールマンのギターとデュエットするような”ヘイ・ジュード“に於ける爆発的な歌声は圧巻!の一言。

アーサー・アレキサンダー

アーサー・アレキサンダー

フェイム・スタジオ録音第一号アーティスト。その録音ナンバー“ユー・ベター・ムーヴ・オン”がスマッシュ・ヒットを記録し、更に英国の若手ビート・バンド時代のザ・ローリング・ストーンズがその曲をいち早くカヴァーした事によりフェイム・スタジオそのものが広く注目を集めるきっかけを作ったフェイム栄光の歴史の足がかりを築いた功労者。メロディアスでスムースな歌唱法でカントリー・ソウルの先駆者とも呼ばれている。

パーシー・スレッジ

パーシー・スレッジ

フェイム録音のデヴュー曲”男が女を愛する時”が爆発的ヒットを記録。テクニカルでも何でもなく、ただ赤裸々に感情をぶつけてくるような無骨でひた向きなシンガー。フェイムのアーシーで骨太なリズム・セクションとメロディアスで官能的なサウンド、熱いホーン・セクション・サウンドと不器用な純情一路シンガーの出会いが生んだ奇跡のようなヒット曲。世界中で一番愛されて来たサザン・ソウル・ナンバーはこれかも知れません。

クラレンス・カーター

クラレンス・カーター

R&B名門デューク・レコードでカルヴィン・スコットとのデュオでプロ・デヴュー。その後故郷アラバマのフェイムを訪れソロ・シンガーに転身。以降フェイムをホーム・グラウンドに看板シンガーとして大活躍した盲目のソウル・シンガー。黒人、白人の垣根を越えて、南部人の心を哀感を帯びた歌声で切々と歌い上げた彼のブルージーでフォーキーなナンバーの数々は、深く人々の心を揺さぶるものだ。

キャンディ・ステイトン

キャンディ・ステイトン

ゴスペル・シンガーとしての活動の後に、フェイム・スタジオ録音でポピュラー・シンガーとして再デヴュー。“スタンド・バイ・ユア・マン”の大ヒットでサザン・ソウルのファースト・レディの称号を手に。一度聴いたら忘れられない官能的なハスキー・ヴォイスと、女性ならではのしっとりとした情感を込めて歌われる彼女独特のバラード・ナンバーは絶品!キュートなルックスで、アイドル的な人気も高い。

エタ・ジェイムス

エタ・ジェイムス

14歳でジョニー・オーティス楽団の専属シンガーとしてプロ・デヴューした早熟天才シンガー。そんな彼女が大人のシンガーとして成熟期を迎えたのがチェス・レコードとのソロ・シンガー契約時代。ゴスペルをルーツに持つパワフルでエネルギッシュな彼女の歌声が、フェイム・スタジオのファンキーかつメロディアスなサウンドを得て更に深みを帯びて輝くアルバム「テル・ママ」は、サザン・ソウル屈指の名作として名高い。

デュアン・オールマン

デュアン・オールマン

弟グレッグと共に最初に結成したバンドが鳴かず飛ばずで解散。理想のサウンドを追い求めマッスル・ショールズのフェイム・スタジオを訪れ準セッション・マンとして活動。アレサやウイルソン・ピケットなどの作品で素晴らしい歌伴プレイを披露。スライド・ギターの腕前に磨きをかけただけでなく新たなバンド(オールマン・ブラザーズ・バンド)の音楽的着想も得たのもこの時期と言われている。

ザ・ローリング・ストーンズ

ザ・ローリング・ストーンズ

彼らがアメリカ南部音楽志向を強めていった60年代末、その音楽のエッセンスをダイレクトに吸収する為に敢行したアメリカ南部録音から生まれたのが“ブラウン・シュガー”という名曲。マッスル・シュールズ・サウンド・スタジオのジャム・セッション感覚のレコーディング・スタイルにインスパイアされて完成したこの曲を境に、彼らの音楽がどんどんファンキー度を増して行ったのは偶然ではないはず。

ジミー・クリフ

ジミー・クリフ

ボブ・マーリーよりも早くレゲエを海外に広めるような活動を繰り広げた天才シンガー。フォークやソウルにも柔軟に適応出来る柔らかな感性と、常にポジティヴなメッセージや、甘口だけどいつでも真摯でひた向きな歌声はもっと評価されてほしい。70年代初期にマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでスワンパーズと録音した『アナザー・サイクル』は、クリフのそんな優れた資質が感じ取れる秀作だ。

ポール・サイモン

ポール・サイモン

サイモン&ガーファンクル解散後のソロ1作目でいきなりレゲエ・リズムを取り入れた曲を披露するなど、リズム志向の強いポール・サイモン。カラフルな南部リズムがぽんぽん飛び出す『ゼア・ゴーズ・ライミン・サイモン』(‘73年リリース)はそんな彼の志向が全開の快作。マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオで録音されたポップでファンキーなリズミカル・ナンバー”コダクローム“は全米2位のスマッシュ・ヒットを記録。

ボブ・ディラン

ボブ・ディラン

ゴスペル志向を強めていた・ディラン作品(70年代末頃)はなぜか総じてファンの間で人気がないようだが、ジェリー・ウェクスラーのお膳立てで実現したマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ録音を含む『スロウ・トレイン・カミング』(‘79年)収録の” ガッタ・サーヴ・サムバディ“などはスワンパーズのうねりまくるサウンドとゴスペル風女性コーラスを従え、凄みに満ちたディラン節が炸裂した傑作だ。なんで人気ないのかな?

アーサー・コンレイ
オーティス・レディングの弟分的な存在。オーティスの推薦でスタックスと契約。マッスル・シュールズのフェイム・スタジオでリック・ホールのプロデュースの元”スウィート・ソウル・ミュージック”など、サム・クック・スタイルを忠実に受け継いだ甘口な歌声でフットワークの軽いファンキー・ナンバーの好曲を複数録音。フィェイムの歯切れの良いファンキーなリズム・セクション・サウンドとホーン・サウンドとの相性は抜群!
ジミー・ヒューズ
パーシー・スレッジとは親戚関係(従兄弟)。大ヒット曲がなく知名度ではスレッジと比べ遥かに低いが、深い情感表現の甘さと苦みがブレンドされたようなブルージーで官能的な歌声とバラードからリズム・ナンバーまで柔軟に歌いこなせる歌唱センスは後輩の大スター、アル・グルーンにも通じるものがあり実に味わい深い。フェイムで録音された“スティール・アウェイ”“ネイバー・ネイバー”の2曲が特に秀逸でお薦め。
ダン・ペン
白人でありながらボビー・ブランドに憧れ若い頃からフェイムでプロ活動開始するもレコード発売機会に恵まれず最初は裏方ソングライターとして人気ソウル・シンガーに曲提供して頭角を顕した人。アレサ”ドゥ・ライト・ウーマン“はそんな時代の代表曲。フェイム録音ではないが”ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート“というサザン・ソウル屈指の名曲も彼の作曲。滋味溢れる近年のソロ・アルバムでの歌声も素晴らしい!
ボズ・スキャッグス
若い時代にヨーロッパ放浪。アメリカ帰国後スティーヴ・ミラー・バンドに加入するも直ぐにソロ・シンガー転身。ブルーズとソウルに根差したファンキーなロックを志向した彼が最初のレコーディングの地に選んだのがマッスル・シュールズ。既にフェイムから独立して新たなスタジオを設立していたスワンパーズの面々+デュアン・オールマンと録音した『ボズ・スキャッグス』は名作の誉れが高い。
レイナード・スキナード
マッスル・シュールズ・リズム・セクションのサウンドに着想を得たサザンロック・バンドと言えば真っ先にオールマンズの名前が浮かぶが、実はこのバンドもそのひとつ。ジャム・セッション・スタイルを基本に、ファンキーなリズム・セクションにメロディアスなギター・ソロやキーボード・ソロが絡み合うスタイルは、まさにスワンパーズ門下生の面目躍如。ライヴの素晴らしさにも定評あり。
ステイプル・シンガーズ
メンフィスのスタックス所属のゴスペル・ソウルの人気グループが、マッスル・シュールズ・サウンド・スタジオで録音を敢行。”アイル・テイク・ユア・ゼア“というナンバーに於けるアフター・ビートのレゲエ・リズムとファンキーなマッスル・ショールズ・サウンドがブレンドされた実に斬新なサウンドを聴けば、スワンパーズのリズムに対する柔軟な感性や対応力の凄さを理解出来るはず。
シェール
『3614ジャクソン・ハイウェイ』。マッスル・シュールズ・サウンド・スタジオの住所をそのままタイトルにしたこのシェールのアルバム(‘69年リリース)の大ヒットで、フェイムから独立したスワンパーズのスタジオ運営が軌道に乗ったという、言うなればスワンパーズにとって恩人のような作品。エキゾチックな雰囲気を振りまくフォーキー・シンガー、シェールの持ち味と、スワンパーズのアーシーなサウンドの相性は意外にも悪くない。
ボブ・シーガー
アメリカではブルース・スプリングスティーンと並ぶワーキング・クラス・ヒーロー・ロックンローラー。そんな彼の人気を決定付けたアルバムがマッスル・シュールズ・サウンド・スタジオ録音の『ナイト・ムーヴス』(‘76年)。バンド名義の録音だけど、ピート・カー、ジミー・ジョンソン、バリー・ベケット、デヴィッド・フッド、ロジャー・ホーキンスらスワンパーズの演奏が隠し味として効いているアーシーなR&R名作だ。
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